ごあいさつ

 銀行業界で15年、独立開業して10年を超えました。

 

 銀行業界ではバブルの後処理、都市銀行の統合、大企業の直接金融化が進み、今は地方銀行までも再編の渦中にあります。

 

 証券業界ではネット証券が台頭し、1998年の投信の銀行窓販解禁後は銀行の証券会社化が進み、多くの証券会社が淘汰されました。 

 

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 こうした従来の販売窓口はあまりに“実績ファースト”“会社ファースト”でした。独立前の私はまさにそのお先棒を担いで、最後の7年余り富裕層営業の専門部隊に所属していました。

 

 育ててもらった銀行ですから大きな恩義があり、感謝の気持ちは変わりません。ただ職業としては「もうこんなノルマ営業はしたくない」という思いばかりが募りました。

 

 そしてこの間、ひっそりと産声を上げた新業態が2004年の「証券仲介業」でした。現在「金融商品仲介業」と呼ばれる我々IFA ※ のことです。 (※Independent Financial Adviserの略。独立系金融アドバイザー)

 

 ネット証券でも世界に先駆している米国ですが、じつはIFAのような独立系アドバイザーの販売シェアは、なんと全証券会社のシェアと肩を並べるまでに成長しています。

 

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 IFAの制度を知ったとき、大袈裟でなく「終の棲家」を見つけたような気がしました。

 

 IFAの魅力は何といっても、販売額や収益の目標を課されたり提案する商品を指示されることがないこと。これは銀行や証券会社に属していたら想像だに出来ないことです。

 

 マーケット環境を度外視して高めの業績計画を本部が立てて現場が毎期それを負うわけですから、「ノルマ営業を廃止」するのは不可能とは申しませんが、構造的には茨の道だと思います。

 

 お客様の資産は金融機関を潤わせるためのものではなく、お客様の人生を潤すためのものです。

 

 IFAは個人あるいは小規模事業所が大半です。ですのでお客様の資産形成に貢献することでしか、生き延びることはできません

 

 「独立系といっても“手数料ビジネス”に変わりなから、銀行や証券会社と同じ」といった指摘を時折見かけます。

 

 現場感覚として申し上げますが、中小零細企業がそんなことをしたら事業を継続できるでしょうか?

 

 お客様の立場にとことん寄り添い、資産形成のお役に立つ。そのことでしか、お客様は私を評価してくれません。当然のことですし、それが私のエネルギー源でもあります。

 

 私の「終の棲家」では、私を評価するのは上司でも人事部でもなく、お客様だけです。

 

 今後ともご指導ご鞭撻のほど、宜しくお願いいたします。

 

 令和元年7月吉日 猿渡 敏雄